同人誌界に年収8ケタ以上がゴロゴロいるのか検証してみた |
年収1000万以上!?だったら私も同人作家になる!
…、とでも言うと思ったか、バーカ!
そもそもシャッター前どころか、壁サークルにどれだけ絵の練習をして、
締め切りと戦いながら原稿に取り組むのがどれだけ大変だと思ってんだか…。
その為の労力を無視して大儲け出来るみたいな書き方が胡散臭い
さらに言えば気に食わないので、一つ一つ検証してみようと思います。
ちなみに私は全くの買い専であり、コミケで言う一般参加者なので、
書き手の努力というものは前述のみとなります。
つまり語ることは出来ないということですが…
そんなわけで、一般参加者の立場から分かる範囲で検証してみようと思います。
つまり情報源はコミケカタログと人づての話のみ!
やったねSちゃん!記事が胡散臭くなるよ!
…、それはそれとして一つ一つ検証。
~記事に書かれているサークルの数について~
コミックマーケット80のカタログを使って調べてみたのですが、
コミケで壁扱いサークルというと、
・東123のAが176サークル
・東456のシが176サークル
・西2のあが144サークル
・西1のれが144サークル
合計で640サークル。
コミケを3日間と考えると1920サークル。
ただし頒布スペースの関係で2サークル分確保しているサークルもあるので、
実際のサークル数はこの数よりは少なくなります。
そしてコミケでシャッター扱いのサークルというと、
先ほどの壁扱いの1920サークルに含まれるものですが、
・東123のA4,5,6,15,16,17,28,29,44,45,60,61,72,73,74,83,84,85の36サークル
・東456のA4,5,6,15,16,17,28,29,44,45,60,61,72,73,74,83,84,85の36サークル
・西2のあ19,20,34,35,43,44,51,52の16サークル
・西1のれ19,20,34,35,43,44,51,52の16サークル
つまり合計で104サークル。
コミケを3日間と考えると312サークル。
そして壁サークル同様に2サークル分確保しているサークルも多く、
シャッター前となると、人気故に2サークルにしている割合が高くなるので、
実際のサークル数は300サークルを大きく割っていると思われます
※参考資料:コミックマーケット80カタログ
※コミケ豆知識
コミケでは一つの番号ごとに2サークル配置されます。
例えばA-1ならば一つのサークルがA-1a、もう一つのサークルがA-1bとなります。
それを踏まえて元記事を引用すると、
>『シャッター前』というサークルは、
>同人誌即売会の老舗『コミックマーケット(いわゆるコミケ)』では常時300ほどある。
>つまり少なくても300人以上が同額程度を稼いでいると考えて、まず間違いはないだろう。
>(中略)
>なお、ワンランク落ちる『壁』と呼ばれるサークルになると、
>グッと増えて4~5千サークルぐらいある。
どう考えても適当です。本当にありがとうございました。
コミケカタログ片手におそらくシャッター前だけ数えて、
あとは適当に数字を挙げただけだと思われます。
ていうか、壁ぐらいちゃんと調べろよ
カタログ片手に10分もかからず調べられたっつーの。
~売上について~
こんな意見があるのがどうでしょうか
早い話が、売り上げと利益を取り違えていないかって話。
このサークルさんは今回は島中みたいだったので、
今回の話ではなかったみたいです。
ちなみにコミケでギリギリ売り上げ1000万円を達成するとなると、
夏コミ、冬コミで500万円ずつ。
さらに同人誌1冊を一番スタンダードな500円としますと、
500万円の売り上げを出すには、1回のコミケで1万冊売る必要があります
コミケの開催時間は10時から16時までの6時間。
分にしますと360分。秒にしますと21600秒。
つまり限界まで時間を利用しても2.16秒に1冊売る必要があります
もちろんこれは売り子が一人の場合なのであり、少々おかしいので、
売り子をサークルの幅の限界と推測される4人としても一人あたり8.64秒。
6時間不休で売り続けたと計算してもこの数字。
さらに売り子の交代も考えると、時間のロスも考えなければなりません。
はっきり言って相当高いハードルだと思われます。
このハードルを全てのシャッター前サークル、
そして壁サークルがクリアできると思いますか?
私は無理だと思います。
このハードルに関しましては2サークル分場所を確保しているので、
売り子が8人同時に売ることが可能。
そして何より頒布価格を高くすることによって条件を緩くすることはできますが…。
この辺はサークルによりけりです。
~じゃあどうやって年収8桁にするの?~
ここで疑問に思った方もいると思いますが、
コミケ以外も同人誌即売会はありますし、
今はとらのあなやメロンブックスのように同人誌委託ショップがあります。
しかし、シャッター前サークルでもコミケしか参加しない。
同人誌委託ショップに委託しないサークルもある為、前述では除外しました。
なにより元記事がやたらとコミケを強調していたので
他の同人誌即売会に参加すれば売り上げも増えますし、
同人誌委託ショップに委託するサークルは、さらに売り上げが増えると思われますが…。
それを考慮すれば売り上げ8桁も不可能では無い気がしますし、
そんなサークルがわずかにあってもおかしくないと思います。
それにしても同人誌の印刷代、同人誌委託ショップへの委託料など
馬鹿にならない要素はいくらでもあるわけで、そんな利益出るのかなぁという疑問が。
やっぱり元記事の年収というものは売り上げを指しているもので、
利益とは呼べないと思うのです
(通常、年収は手取りから経費や税金もろもろを引かれる前の金額。
つまり、年収300万円でも税金もろもろで手取りは300万円を切るのだ!)
仮に1000万売り上げても、経費に800万掛かったらねぇ…。
~じゃあ3年間で2億円を稼いでいた品川かおるこって何よ?~
金の亡者(マテ
…、という個人的感想はともかくとして、注目すべきは発行数。
■品川かおるこ氏 同人誌発行歴まとめサイト(作成中)
発行部数が尋常じゃありません
コミケの時期に4冊出している時もあれば、コミケの時期でもないのに月2冊以上。
学生なり社会人なり何かをしていたら、普通は無理です。
(時期的にスーパーコミックシティかしら?)
ぶっちゃげ同人誌だけ描いて生活していると言っても過言じゃないくらい
さらに同人誌の値段が高く、1000円以上は当たり前。
詳しくない私が適当に調べた限りでは、セットで7000円なんてものも
正直、女性向けは詳しくなく、
西又葵のエグい売り方に色々と思うところはあったのですが、
世の中引くほどの金の亡者って多いなぁと思いました。
~結論としては?~
アリエナイ
売り上げが1000万円超えているサークルがあるでしょうし、
さらに言えば、利益が1000万円超えているサークルもあるかもしれません。
しかし、ゴロゴロいるなんてことはまずないと考えられます
ぶっちゃげ珍しいです。希少種です。
あれです。
今回の件は1のものを100に水増しして書くようなものだと思います
マスコミがよく使う手ですね。
コミケはエロ同人誌しか売っていないみたいな。
(18禁同人誌はコミケ全体で2割と言われていますし、どっちにしろ「全て」ではない)
全く、テレビリサーチ会社(笑)のりサーチ能力ってすごいんですね!
※別件での検証記事
ほぼ焼き増しなので、同じ内容ではありますが…。